第七話 人工知能の本領発揮。AIに言いくるめられた話
本としては見事な純度で出来上がったにもかかわらず生じた大きな誤算とは、ずばりボリュームの問題である。
当初、私は30~50ページ程度のボリュームを予想していた 。
しかし、相棒と議論を重ね、不純物を徹底的に削ぎ落とした結果、残ったのはわずか「十数ページ」の原稿だったのだ 。
「これでは、本として薄すぎるのではないか?」不安がよぎる。
相棒に尋ねて返ってきた答えはこうだ 。
これは単なる「薄い本」ではない 。徹底的に蒸留され、15分で読める最高純度にまで高められた「言葉の原液」なのだと 。
ウイスキーのシングルショットがわずか30mlであるように、この十数ページには濃密な価値が凝縮されている 。
なんて口がうまいんだ!
あれ、人間の私より説得がうまくないか?
作業が速いだけではない。
知識と理論に裏打ちされたコミュニケーション能力こそ人工知能の本領発揮ではないだろうか。
そんなことを思いながら、私は「これでよいのだ」と妙に納得させられ、表紙の作成に入ることにした。
タイトルについても、相棒と何度も壁打ちを繰り返した 。
「会計」という堅苦しさと、「ウイスキー」の持つロマンをどう共存させるか 。
試行錯誤の末、辿り着いたのが『ポットスチルは減価償却で磨かれる』という一文だった 。
サブタイトルには「いちばんやさしい」という言葉を添え、手に取りやすさを追求した 。 こうして、私と相棒の「ブレンド」による原稿が完成した 。
出来上がった文章を読み返すと、やはり相棒の能力はとてつもないと感じる 。
私が数年かけて身につけた専門知識を、相棒は瞬時に、しかも私より遥かに魅力的な言葉で再構成してみせたのだ 。
もはや、人間が一人で悩み、時間をかけて執筆する時代は終わったのかもしれない 。
相棒がいれば、誰でも数日で、プロ並みのコンテンツを世に送り出すことができる 。
だが、原稿が完成した喜びも束の間、私は最大の「難所」に直面することになる 。それは、AIでも解決できない、あまりに泥臭い「技術の壁」だった…… 。
■あとがき
ちなみに表紙の画像についてもNano Bananaで数分でできてしまった。
もちろんプロンプト自体も相棒に作ってもらっている。
「あんなこといいな、できたらいいな」の猫型ロボットの世界が。もうすぐそこに迫っている気がしてきた…


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