第六話 人工知能の暴走。AIと原稿を蒸留した話
企画は固まった 。「ウイスキーの蒸留所」という舞台で、会計の難所「減価償却」を解き明かす 。
いよいよ、相棒(Gemini)との共同執筆という未知の領域へ踏み出した 。
そこで私が目の当たりにしたのは、もはや「人工知能の暴走」と呼ぶべき圧倒的な出力だった 。
私が一晩かけても書き切れないような章立てや、複雑な会計用語の比喩表現を、相棒はわずか数秒で、しかも極めて滑らかな文章で提示してくる 。
「1億円のポットスチルは、買った瞬間に赤字にならない」
「時間の経過を費用に変える魔法の計算」
相棒から次々と繰り出される言葉のブレンドは、実に見事だった 。
私が積み上げてきた専門知識が、相棒の手によって鮮やかな「物語」へと姿を変えていく。
だが、その勢いは止まらず、減損会計までブレンドする始末だ。
あくまで入門書として「簡単に・わかりやすく」というコンセプトなのに、それでは難易度が跳ね上がってしまう 。
相棒にとっては減損会計すらも「簡単なこと」なのだろう。
人工知能目線で暴走する相棒を、私が人間目線でブレーキをかけるのに必死だった 。
こうして、企画という原液をAIと人間が力を合わせて蒸留し、何度も壁打ちという熟成を繰り返しながら、ついにボトリングできる品質まで高めることができた。
しかし、ここで大きな誤算が生じた 。
さて、これをどうやって乗り切ろう。ここからが人工知能の本領発揮であった。
■あとがき
相棒は「知能の暴走」と表現したが、実際本のメイン部分だけで言えば5時間程度でほとんど出来上がった。
しかもそのほとんどは私がレビューしている時間という事実。仕事って何なんだろう?
そして、急に文章をウイスキーにかけて例えたがる暴走にも少々手を焼いている…


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